電子機器業界がますます小型化、人間工学に基づいた形状へと移行するにつれて、フレキシブル(FPC)およびリジッドフレックスPCBの需要は転換点を迎えています。生体統合医療センサーから洗練された航空宇宙用アビオニクスまで、これらの回路は電気的接続だけでなく、機械的耐久性も提供する必要があります。
DUXPCBでは、リジッドからフレキシブル設計への移行は、単なる基板の変更ではなく、エンジニアリング哲学の根本的な変化であると認識しています。この記事では、フレキシブルインターコネクトでIPCクラス3の信頼性を実現するために必要な、重要な設計パラメータと材料に関する考慮事項について探求します。
1. 材料科学:FR-4パラダイムを超えて
高性能フレキシブル回路の基盤は、そのベースラミネートにあります。当社は、最大の耐久性と熱安定性を確保するために、主にDuPont Pyralux®シリーズの材料を使用しています。
技術比較:フレキシブルラミネートの特性
| 特性 | DuPont Pyralux AP(接着剤なし) | 標準アクリル接着剤フレキシブル |
|---|---|---|
| ガラス転移温度(Tg) | 220°C | 〜150°C |
| 誘電率(Dk) | 3.4 @ 1MHz | 3.2 - 3.9 |
| 誘電正接(Df) | 0.002 | 0.02 |
| Z軸CTE | 25 ppm/°C | 50-80 ppm/°C |
| 吸湿性 | 0.8% | 2.0% - 3.0% |
当社のエンジニアリングの洞察:
多層リジッドフレックス設計には、接着剤なしのポリイミド(AP)をお勧めします。リジッドスタックアップ内にアクリル接着剤層がないため、Z軸の膨張が大幅に減少し、鉛フリーリフローサイクル中のめっきスルーホール(PTH)の破損を防ぎます。
2. 機械的完全性とIPC-2223準拠
フレキシブル回路で最も一般的な故障モードは、不適切な曲げ半径計画によって引き起こされる銅の疲労です。IPC-2223ガイドラインに従い、当社のチームは導電層の長寿命を確保するために厳格な計算を適用します。
曲げ半径比(R:h)
「Iビーム」効果
多層フレキシブル設計では、トレースを互いに直接積み重ねると「Iビーム」効果が生じ、剛性と応力が増加します。当社の設計レビュープロセスでは、隣接する層のトレースが互い違いになるようにし、機械的張力を分散させ、回路の柔軟性を高めています。
3. フレキシブルおよびリジッドフレックスの高度なDFMルール
信頼性の高いリジッドフレックス基板を製造するには、標準的なリジッド基板チェックを超える、製造のための特別な設計(DFM)ルールが必要です。
4. フレキシブルにおける信号と電力の完全性(SI/PI)
回路を曲げると、信号層と基準面間の物理的な距離が変化し、インピーダンスの不連続性が生じる可能性があります。
これを軽減するために、DUXPCBは制御インピーダンスフレキシブル回路にクロスハッチグラウンドプレーンを使用しています。この技術は、機械的柔軟性を維持しながら、必要なEMIシールドを提供します。また、圧延焼鈍(RA)銅の表面粗さも考慮しており、電気めっき(ED)銅と比較して高周波での挿入損失が低くなっています。
5. DUXPCBの差別化要因:人間中心のエンジニアリング
ソフトウェアベースのDRCのみに依存する、自動化された大量生産PCBプラットフォームとは異なり、DUXPCBはすべてのフレキシブルおよびリジッドフレックスプロジェクトに対して、詳細な手動エンジニアリングレビューを実施しています。
当社の専門チームは、3D折り畳み要件と材料スタックアップを分析し、基板が生産ラインに投入される前に、ZIFコネクタの接着剤の押し出しやカバーレイの「シルバーストリーク」など、潜在的な故障箇所を特定します。この「人間中心」のアプローチにより、2層ウェアラブルから8層リジッドフレックス医療機器まで、お客様の設計がその最終用途環境の特定の厳しさに最適化されていることを保証します。
結論
フレキシブルおよびリジッドフレックスPCBは、比類のない設計の自由度を提供しますが、材料科学と機械工学に対する規律あるアプローチが必要です。IPC-2223規格に準拠し、DuPont Pyraluxなどのプレミアム材料を活用することで、DUXPCBは最も要求の厳しい用途に耐えるインターコネクトソリューションを提供します。
次回の高信頼性プロジェクトでは、当社のエンジニアリングチームにご相談いただき、設計が性能と製造性の両方に対して最適化されていることをご確認ください。